サテライト

まるで社会の動き全体を見るかのように俯瞰した態度がいつの間にか身に染み付いて離れない。空から眺めた下界の景色はどんな風に映っているのだろうか、誰が見ても恥ずかしくない姿だといいのだけれど。

 

去年の何月ごろかは忘れたけど、朝井リョウ著の「何者」を読んだ。他人の分析ばかりして、いざ行動を起こした人を蔑み、出る杭を打とうとする典型的モブ主人公が就活をする話なんだけど、めっちゃ主人公に共感した。あいつ起業したらしいで、とか、あいつなんか最近変わったよなとか、自分には出来ないことをすぐ否定的に持ってゆこうとする精神、俺は違う、俺はそんな感情抱いてないしとか言い聞かせながら読み進めるが、やっぱり主人公と重なる部分が多々ありギクリとさせられる部分があった。

 

 俺には関係ないと、他人行儀を演じ続ける人生も悪くないだろうけど、それでいいのかと自問自答。街中で困っている人を知らんフリ、もしくは笑い者にすらしようとツイートする。それじゃあいつまで経ってもモブのまま。別にモブでもいいんだけど、人間として面白みのない味気のない、噛んでもなんの味も歯応えもしない人になってしまっていいのかって、焦りもする。

 

逆に俯瞰した態度が笑われて後ろ指さされる時代が来たら、みんな自主的に積極的に行動できるんじゃないかって、自分が何もしないのを時代と世間のせいにするけど、それは違うってのもわかってる。だからこそ、能動的に行動できるうえ、何かを志す人を心から敬える人間を心底羨ましいと思ってしまう。そんな人間になりたいと思った時に、後ろ指さされてるんじゃないかって疑心暗鬼になってしまうままでは遠い未来だ。